JA11ジムニーのセッティングを考える

           

    8月19日、チャイナカップトライアル第3戦が行われました。

    今回オールペン直後で、いろいろパーツをはずしていたので、そのまま軽量化パージョンで出走しました。

    仕様としては

    マイナス部分

    -両側メタルドア 17KG×2個=34Kg
    -助手席 約18KG
    -Bピラー 約9Kg
    -純正ボンネット 12Kg

    合計 73Kg

    プラス部分

    +FRPボンネット 2.5Kg
    +お盆で暴飲暴食したドライバー 約1Kg増加
    +ドライバー側30メタルドア1個 約10Kg

    合計 13.5Kg

    差し引き56.5Kg !

     

    大人1人分軽量化しています。

    その甲斐あってか、今回は自分でも結構な手応えがありました。

    やはり軽量化は重要です。

    そんなことから、車のセッティング見つめ直すこととしました。

    最初に気になること

    現在の2号車で、トライアル車としてはあまりされていないものが「ボディーリフト」です。

    一般的にトライアルでは、車高が高くなることを避けるため、ボディーリフトをしている車両はほとんど見ることはありません。

    もともと気になっていたので、チャイナカップ当日、出走車両40代中、ジムニーで出走されている30台前後の車両の足回りやボディリフトの現状を確認して見ました。

    結果、フレームからボディーを浮かしている車両はNクラスで2台、Pクラスで2台とかなりの少数派でした。リフト量はいずれも30~35mm程度。

    しかし注目は、Pプラス表彰台常連の車両が30mmくらい浮かしていたこと。
    (憧れのトライアルの神様、福井新様の車両です。勝手にすみません 汗)

     

     

    この車両をさらに分析します。

    リーフはおそらくフモンオートのアクティブリーフ?、リフト量は純正長くらいでかなり低いです。

    バンプストッパーの規制はほとんどしておらず、ダウンピットマンアーム、シャックルは前後ともに中折れシャックルが装着されています。

    shockはプロコンプのES9000でしょうか。

    この車両は、多くの出走車の中でも飛び抜けて車高が低く、ジムニーの中では既にシャコタンと言えるほどの低さ、

    縮み時のタイヤの逃げを確保するための、タイヤハウス内は大きく切り込まれ干渉防止策がとられています。

    で、ボディーリフトの話に戻ります。

     

    ボディーリフトしない場合、70タイヤを装着すると、そのままではバンプ時に間違いなくタイやハウスに干渉します。

    一般的にはバンプストッパーを延長してチヂミ側を規制し、フェンダーからタイヤの完了を防止します。

    観察したところ、8の時バンプストッパーに50mmくらいの延長ステーが一般的のようです。

    また、足の伸びを確保するために、多くの車両(特にP車)で中折れシャックルが装着されている感じです。

    たしかにボディーリフト(リーフでの高いボディーリフトでも同様ですが)を行った場合、車のロールセンターに対して、重心が上に上がり、キャンバーでのシャシーに対してのボディーのロールはダルになります。

    ロールセンターは車体がロールをするときの中心点、重心は車全体の重心となります。

    ロールセンターと重心の距離が短いほど、シャシーに対してボディーのロールは素早く反応し、逆に距離が長いとゆっくりと反応するようになります(メトロノームの軸とおもりの原理と同じ)

    なので、一般的なスポーツカーではロールセンターと重心が近いに越したことはありません。

    しかし、ここオフロードでは、他の制約も生まれてきます。

    まずはリジットアクスルによる伸びと縮みの問題です。

    リジットアクスルは両輪が直結されているため、ロールセンターの位置は変わりません、ホーシングからボディーが離れれば離れるほど、重心との距離は長くなります。

    普通に考えると、ボディーリフトしていない方が素早く車体の挙動が安定します。

    更に、下の図の通り、重心は低い方がキャンバ-での限界値が高くなり倒れにくくなります。


    仮に、同じリフト量のリーフを付けている場合、重心の高いボディーリフト車の方がキャンバーで転けやすくなります。

    では、ギリギリまでホーシングとボディーの距離を短くして、キャンバーに突入した場合、縮み側に余裕のない車両をボディーリフトを行い、縮み側による場合を考えてみます。

    縮み側に余裕がない場合バンプストッパーで縮み規制をする分、キャンバーでのボディーの傾きは余裕のあるボディーリフト車よりも大きくなります。

    リフト量の場合、下の図の通り、車体の傾きが少ない方が重心の位置は低くなります。

    なので、ボディーリフトにより、縮み側による余裕のある車両と縮みに余裕がなく、キャンバーに沿ってボディーが傾く車両では縮み側に余裕がある車両の方が有利となるのではとおもいます。

    つまりトライアルで理想的には、次のような車両がよさそうです

    1,ロールセンターと重心の距離が短い
    2,リジットアクスルの縮み側が十分に縮み、なるべくボディーを水平に保てる

    その為に考えられる方策としては

    1,ボディーリフトはしない方が良い
    2,縮み代を確保するために、フェンダーカットなど、縮み側にボディーが干渉しないように加工する
    3,タイヤの空気をなるべく減らし、タイヤと地面の接地面を確保する(キャンバーの角度に合わせてタイヤが変形することで転倒しにくくなる)
    4,重心をなるべく下に持って行く(軽量化の上で、思いトランスファーガードやガソリン満タンなど)

    これらの方策でキャンバーに強く転けにくい車両ができるのではとおもいます。

    2号車に当てはめてみたところ、現在の仕様ではボディーリフトをやめて、35mm車高を落とし、かわりに30mmのバンプストッパー延長を追加しても、あまり大きな違いは無いと言うことのようです。

    伸びる足について

    で、もう一つ考えるべきことが「伸びる足」の作り方です。

    モーグル場面にかぎらず、キャンバー突入時でも、足がぎゅっと伸びてくれると怖さが緩和されます。

    地面の追随性という意味では、フロントサスペンションに関していうと、リーフよりコイルの方が有利の気がします。

    リーフの場合、ロールセンターを中心に縮み側に押されるかたちで、もう片方が伸びるて地面と接触します。

    しかしコイルの場合、もともと、タイヤを下に押しつける力が強いので、起伏への追随性がリーフよりも高いような?(あくまで個人の感想で、学術的ではありません)

    「フロントをコイル化してみおたら面白いかな」と思いましたが、それだと車検に通りそうにないのでやめました。

    そこで試してみよう方、もくろんでいるのが高圧ガスshockへの変更です。

    具体的にはプロコンプES9000!

    これまで付けているオイルショックは、リーフの挙動を収めるための抵抗でしかありませんが、高圧ガスshockならば、幾分かはコイルと同じように足を伸ばそうとする力が働くはずです。

    さて、ここでもちょっとひっかりました。

    現在装着しているのは、みんな大好き「モーターファームの赤shock」です。

    スペックは下のとおり

    【フロント】
    ・シェルケース径:内筒 38φ , 外筒 45φ
    ・長さ:最小長 303mm ±3mm , 最大長 503mm ±3mm(サスストローク 200mm)

    【リヤ】
    ・シェルケース径:内筒 38φ , 外筒 45φ
    ・長さ:最小長 320mm ±3mm , 最大長 515mm ±3mm (サスストローク 195mm)

    一方のプロコンプES9000のスペックは下記の通り

    JA11 2インチアップ用(フロント:919510 リア:919500)

    最大長 487
    最小長 306
    ストローク 181
    ボディ径 60

    JA11 3インチアップ用 フロント:920510 リア:920500

    最大長 516
    最小長 320
    ストローク 196
    ボディ径 52

    商品番号最大長最小長ストロークボディ径マウント上マウント下
    91951X48730618160
    92051X51632019652
    92151X54033220860
    92251X56634721960
    92451X61336924460
    92551X64238325960
    92651X66639527160
    92751X69840429452
    92951X74243430860
    93201X80847333560

    現在の2号車は2.5インチアップ(のはず)なので、プロコンプで選ぶならば919510もしくは950510となります。

    問題となるの、フルバンプした際の縮み側の長さです。

     

    2号車の縮み長を測ってみます。仕様はモーターファームのshockを付けた状態で、バンプストッパーは(おそらく)キタガワ製(純正比53mm)にプラス3cmの延長ブロックを追加しています。

     

    前輪の方側が浮き上がるまでフルバンプさせて計測したところ、MAXに縮んだ状態の長さは約320mm、ファームのフロントショックの最小長が302mm+-3mmなので、ちょうどいいのセッティングです。

     

    これを919510(2インチアップ用)に変更した場合、最小長は306mmなので設定変更は不要ですが、ストロークが200mmから181mmと19mm減ってしまいます。

     

    920510に変更した場合、最小長が320mmなので、このままではショックが底付きしてしまう危険性があるため、バンプストッパーを最低でもあと20mm延長するか、ショックのマウント加工して20mm伸ばしてやる必要があります。

     

    それでもストロークは196mmのファームのショックよりも4mm短くなります。
    920510はボディー系が52mmと細いので919510より取り付けは簡単そうですが・・・

     

    できることならば、足をびよ~~~んと伸ばすためにもストロークがなるべく長いに越したことはありません。

    フロントショックのマウントをあと100mm延長できたら、「92651X 最長666 最小395 ストローク271」がつけられるんだけどなぁ~

     

    近日中に結果をご報告できるかな?

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