空冷ビートルをローダウンした話

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さて、今日は四号車(空冷ワーゲン ビートル)の定番カスタム、ローダウン(ロワード)をやっていきます。

 

結構な重整備となりますが、さて、どんな感じでしょうか。

 

予定としては、フロント側はロワードスピンドル(ドロップスピンドル)なるパーツを使用して、現在よりも2.1/2インチダウンさせます(約6.5cm)。

 

このためにはロワードスピンドル(ドロップスピンドル)というパーツが必要になります。

 

リア側ですが、空冷ビートルは基本、無課金でローダウンが可能なオトク仕様となっています。

空冷ワーゲンのリアサスペンションは「トーションバー」という棒に「スプリングプレート」という板がつき、トーションバーのねじれを使って上下させるというサスペンションになっています。(初めて見ました)

 

トーションバーには根本と頭にスプラインが切ってあり、そこにスプリングプレートを取り付ける構造です。

 

車高を下げるにはトーションバーに付いているスプリングプレートのスプラインを上方向にずらすことで、車高が落ちるという寸法です。

それでは下準備、まずはロワードスピンドル(ドロップスピンドル)を購入しないと話になりません。

 

ヤフオクでは55000円くらい、Flat4でも同じくらいです。

これも、前回ちょこっと書いていますが、アリエクスプレスで発見

「フロントエンドボール関節ドラムブレーキ、vwバグ用ドロップスピンドル、22-2859」

価格14965円、送料9861円、合計24826円で購入しました。

(合いますように お祈りです)

ネットで下調べをしていると、フロントはローダウンすると純正サイズのタイヤでは大きすぎてフェンダー内に干渉する様です。

推奨サイズは165/65R15のようです。

念の為、ビートルを買ったモーターショップ安本の社長にも相談、やはり165/65R15でないとダメなようです。

ヤフオクで165/65R15のサイズのタイヤを物色します。

軽サイズのタイヤなので、いくらでもバリヤ山の激安タイヤがありました。

選んだのは「YOKOHAMA blue Earth 165/65R15 81S」2本、送料込み4400円


ハスラー用のタイヤのようです。

まもなく送られてきました。

バリ山で問題なし、定価は1本7000円くらいのタイヤなので、性能も特に問題はないでしょう

純正タイヤとサイズを比べてみます。

ビートルが今履いている「MICHELIN ラジアルタイヤ 165SR15 XZX」は外径:φ646mm、総幅:167mm、扁平率:82です。

一方のYOKOHAMA Blue Earth 165/65R15は外径:φ595mm、総幅:170mmです。

 


外径では51mm小さく、巾は3mm大きくなる理想のサイズです。

組み替え前、地上からフェンダーまで70cmでした

組み替え後、67.5cm 予定通り2.5cm落ちています

外径が51mm小さくなるので、タイヤを替えるだけで約25mmローダウンとなります。

 

ジムニーに比べるととても軽く小さなタイヤなので自分で組み替えようかな?と思いましたが、いつもの工場に組み替え代金を聞くと一本1000円とのこと、安全のために(めんどくさい)お願いしました。

 

 

組み替え後の帰路、60キロくらいから今までになかった、上に突き上げるような振動が発生しました。。

「小さくガタガタガタ・・」

最初タイヤのバランスが原因かとも思いましたが、おそらくショックです。

フロントのショックがお亡くなりになっていて、前後のバランスが崩れたためこの症状が発生している気がします。

そして、そんなことをしているうちに、チャイナよりロワードスピンドルが到着、休日に作業開始となりました。

 

まずはフロント側です。

左前をジャッキアップして馬に載せます。

フロントタイヤを外します。

ドラムブレーキが現れます

 

センターのキャップを外そうとすると、おや?何か付いている

キャップの上に黒いコーキングがされていたのですが、それを剥がすとCリングが現れました。。

どうやらフロント左にはスピードメーターのケーブルが付いているようです。

 

コーキングを剥がしてCリングを外し、バールでこじってキャップをとります。

ハブナットが現れました。

VWのハブナットは変わった形をしており、6角レンチのイモネジで緩み防止がされています。

6角レンチで「緩み防止ネジ」を緩めて、モンキーでハブナットを外します。

 

このナットは300ニュートンの締め付けトルクらしく、やさしく締められているだけなので簡単に回りました。

 

あとは、ドラムカバーを引っ張ればカバーが外れます。

VWTYPE1ではこのドラムカバーにハブベアリングが内蔵されています。

構造は実に簡単で、ジムニーのナックル分解の半分以下の時間で作業できます。

ドラムシューが現れるので、M14のボルト3本を外すとプレートごとごそっととれて、純正のスピンドルが現れました。

 

このパーツを交換するわけです。

 

ココでの注意点は、スピンドルを上下で挟んでいる棒(フロントトーションアーム アッパー ロワー)のアッパー部分にタイヤのキャンバー角を設定しているコマがあるので、その角度がずれないようにマーキングが必要です。

アッパーアームのコマの一部に切り欠きがあるので、その場所をスピンドルにマーキングします。

あとはトーションアームとスピンドルを固定しているM19のボルトをはずして、ステアリングロッドをタイロッドエンドプーラーで外します。

 

 

このままでは外れません、トーションアームが結構な力でスピンドルを挟み込んでいるので、トーションアームのアッパーアームをジャッキで持ち上げました。

すると、ぽろっとスピンドルが外れました。

 

 

新品のロワードスピンドルに交換します。

 


スピードメーターケーブルを外してロワードスピンドルの軸にケーブルを通します。

トーションアームをロワードスピンドルに取り付けて、キャンバー角調整のコマの角度を元に位置に合わせて、後はボルトを止めます。

 


外した物を組み付けて終了、ここまでの作業時間は2~30分位でした

 

かんた~~~ん♪

 

右側も同じく作業します。

地上からフェンダーまで64.5cmになりました。

 

1時間ほどでロワードスピンドル取り付け完了。。。

 

あとはリア側ですが、見た感じそんなに違和感ありません

リア落とさなくてもいいんじゃ無い?

取りあえず試乗しまします。

 

 

我が家の駐車場を出た後、結構凸凹のおおい細い舗装路をとおって大きな道に出るのですが、この小道でいきなり

「ガリッ」

あっ、フロントのどこか擦った!

 

やはりリアも落とさないとダメなようです。

 

あたりをくるっと回った後、リアの作業に移ります。

 

リアのロワードは無課金ですが、めんどくささはフロントの倍以上です。

 

リアのスプリンブグプレートをトーションバーから外し、スプラインのコマを1コマずらすと、約6cm落ちるらしいです、今回の作業はこれになります。

 

まずは、リアをジャッキアップして馬にかけて、後輪両方を外します。

 

 

このあと、リアのホーシングをスプリングプレートから分離するのですが、ホーシングを後ろに引っ張るには、車内のサイドブレーキに付いているサイドブレーキのワイヤーを緩めておく必要があります。

緩めます。

 

ホーシングはM19のボルト&ナット3個で固定されてるので、左右両方外します。

ショックの下側も外すとホーシングがフリーになります。

あとは、力を入れて後ろに引っ張るとホーシングがスプリングプレートから外れてフリーになります。

さて、いよいよスプリングプレート外しですが、ここは結構手間取りました。

まず、スプリングプレートをおさえているカバーを外します。

M15のボルト4本で固定されています。

普通、M15のソケットなんて持ってません~

 

今回は事前に予習していたので購入済みです。

しかし、四号車ちゃん、M13とか、M15とかさすがは輸入車です

 

M15のボルト4本を外すとスプリングプレートをとめているトーションバーの頭が現れます。

スプリングプレートは大きなゴムブッシュに左右から挟まれているので、外側のブッシュも外します。

結構くたびれていましたが、換えを購入していないので今回は再利用します。

トーションバーのスプラインに元の位置をマーキングします。

スプリングプレートの台座にはストッパーが付いていて、それ以上下に下がらないようなっていますが、そのままではテンションがかかり続けてしまい交換できないので、バールでこじって台座からスプリングプレートをずらして外します。

外れました、フリーの状態になります。

純正位置を見失うと後が大変なので、スプリングプレートの角度をシャシーになぞってマーキングしておきました。

これでちょいと引っ張ればスプリングプレートがトーションバーから抜けてくれれば良いのですが、そうは問屋が卸しません。

トーションバーあたりのスプリングプレートをバールでこじるのですが、いっこうに抜ける気配がありません。

それでも一生懸命こじっていると、

「抜けた!」とおもったら、トーションバーの根本から抜けてしました。

やばい!

しかし後の祭りなので、取りあえずトーションバーごと抜き取って、ハンマーでスプリングプレートとトーションバーを分離します。

さて、課題はトーションバーの根本は元の通りの角度で挿して、さらに頭のスプラインを一コマずらして挿し直さなくてはいけません。

 

ココで役立ったのが、念の為シャシーにマーキングしたスプリングプレートの純正位置のマークでした。

まずはコマ調整なしでトーションバーとスプリングプレートを元の位置に戻してトーションバーの根本の純正位置のスプラインに入るよう調整します。

それが出来たら、一度外してベルハンマーを塗布して簡単に抜き差し可能になったスプリングプレートを一コマずらして差し込みます。

そうそう、スプリングプレートをトーションバーに差し込む前に、スプリングプレートの奥のブッシュにシリコングリスをたっぷりと伏しておきました。

出来た!

 

しかしここから、ちょっと手こずります。

スプリングプレートのカバーを元に戻すのですが、ブッシュが変形していて、ネジの位置が合いません

ドライバーで調整したり、こじったり、して、どうにか入れましたが、なんとこのカバーを付けるだけで1時間近くを要しました。

暑さと空腹で倒れそうです。

 

一旦昼休憩、お茶をがぶ飲みして、飯を食って後半戦に挑みます。

 

さて、右側も同じようにスプリングプレートのM15ボルト4本を抜いて、カバーを外します。

ボルトを外すと4本とも軽く舐めていたので、ダイスでネジ山を切り直しました

M8,1.5ピッチでした。

ここからは同じ作業ですが、同じ失敗は繰り返しません。

まずはバールでこじって、ストッパーからスプリングプレートを外してフリーにします。
念の為、角度をマーキングして、トーションバーのスプラインにマーキング、バールでこじってスプリングプレートを外します。

このとき、一気に前に出してしまうと、またもやトーションバーが根本から外れてしますので、少し出しては、ハンマーでトーションバーの頭をたたいて元に戻し、スプリングプレートのみを外していきます、

上の動作を何度か繰り返しているうちに、今度はうまい具合にスプリングプレートのみが外れました。

 

マーキングを参考に一コマずらして取り付けます。

右側のカバーはダイスの効果もあってか、簡単に締まりました。

なんと所要時間、30分くらい、左側の半分以下の時間で完了です。

あとは知恵の輪のようにホーシングをスプリングプレートに戻して完了!

 

ヤットできた、気づけは15時を回っていました。

 

タイヤを付けて、不備がないか点検して、いざ試乗です。

今度は先程フロントをこすったところも無事通過し、大きな道に出ました。

 

前約8cm、後ろ約6cmローダウンしているだけあって、なんだか低いです。

 

特に乗り降りの時、低さを感じます。

 

乗り心地ですが、やはり60キロを過ぎたあたりから突き上げるような小さな振動があります。

 

ショック変えないといけないなぁ~~~

 

近所のホームセンターの駐車場に止めて、アクエリアスを飲みながら360度観察します。

前もいい感じで落ちてます。後ろは軽くタイヤにフェンダーがかぶる感じで、若干ネガキャンになっています。

かっこよい!

だんだんと、思い描いたビートルに近づいてきました

やはり、リアフェンダーの色がなぁ~~

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